ISO9001

JAS 認定工場

しょうゆ博士のコラム

COLUMN

製造工程

原料からどうやって、
おいしいしょうゆができるのか知っていますか?

~おしょうゆをつくっているのは、目に見えない菌たち~

調味料としてのしょうゆの魅力は、なんといっても色・味・香り。味は主に大豆のたんぱく質から、香りは小麦のでんぷんから、それぞれ微生物の働きにより生まれます。また色は、たんぱく質から得られたアミノ酸と、でんぷんから得られたブドウ糖が組み合わされて生まれます。麹菌・乳酸菌・酵母などの微生物の働きを調節するのが食塩。
すべての原材料が互いに作用し合い、じっくり時間をかけて発酵・熟成し、しょうゆが誕生します。

こいくちしょうゆの「本醸造方式」

主な原料は大豆、小麦、食塩

大豆は高温高圧で蒸します。加熱すると大豆のたんぱく質が変形して、麹菌の酵素が働きやすい状態になります。

小麦は高温で炒ってローラーなどで砕きます。小麦のでんぷんがアルファ化して麹菌の酵素が働きやすい状態になります。

食塩は水に溶かして食塩水を作ります。食塩は塩味のもとになります。また、腐敗菌などの有害菌を抑え、乳酸菌や酵母などの有用な微生物をゆるやかに働かせます。

麹をつくる

大豆と小麦を混合して、種麹(麹菌)を加えます。
100%に近い湿度、30℃前後の温度の製麹室で約3日かけて麹をつくります。
麹菌からつくられた酵素は、大豆のたんぱく質をアミノ酸に、小麦のでんぷんをブドウ糖に分解するのでおしょうゆのおいしさの素になるうま味や甘味を生みます。

もろみを仕込む

麹に食塩水を混ぜ合わせて、もろみを仕込みます。
もろみタンクで約6ヶ月間、目に見えない小さな生き物(酵母・乳酸菌)が一生懸命働いて、ゆっくり発酵・熟成されます。酵母が香りの成分を乳酸菌が酸味をつくります。
熟成期は、香味成分や色の成分がさらに作り出され、どんどん味が良くなっていきます。

もろみを搾る

熟成したもろみを布に包み重ねて、3日間でゆっくり圧力を掛けて搾っていきます。
1日目はもろみ自身の重みで搾り、2日目は圧力の弱い圧搾機で搾り、3日目は圧力の強い圧力機で絞り出します。
その搾ったままのしょうゆを「生しょうゆ」または「生揚(きあげ)しょうゆ」といいます。
まだ、この時点では酵母と乳酸菌と酵素も生きています。

絞り立ての「生しょうゆ」

火入れ(加熱)・ろ過

火入れは加熱することによって香りと色の調整をするとともに酵母、乳酸菌、酵素の働きを止めて再発酵を防止します。
しょうゆの香りは非常に複雑です。しょうゆに含まれている香りの成分は、リンゴやバラやバニラなど、約300種類。
特定の香りが目立ちすぎることなく、全体に調和してしょうゆの独特な香りを作り出しています。
魚介類や肉類の生臭さを消すスパイスの働きを持ち、加熱すると芳ばしい香りが生まれます。

ろ過は濁りや細かい諸味のカスを取り除き日本農林規格で定められている清澄な液体調味料にするための重要な工程です。

ボトルへ詰める

検査を通過したおしょうゆは、さまざまな大きさの容器に詰められます。
容器や、キャップ、ラベルなどに異常がないか人の目でチェックして出荷されます。

検査する

つくられたしょうゆの色や窒素分、塩分など、規格に適合しているかどうか分析検査を行います。
そして、官能(唎味)検査によって最終評価を行います。官能検査は(財)日本醤油技術センターが行う資格検査に合格した醤油官能検査員によって、色・味・香りを総合的に判断されます。